• ATA社屋 連載ブログvol.2 ATA社屋『建築構造』のおはなし

ATA社屋の構造形式は、木造軸組み工法です。

そう、一般的な木造住宅と同じなんです。

では、なぜこのような大空間が可能なのか。

それは、トラス構造で屋根を支えているから。

 

トラス構造とすれば、雪が積もっても14メートルを超える空間が可能なのです。

軒先に張り出した屋根は、先端から斜めの材料で支えることにより、3メートルの軒深さを実現。

トラス構造は、三角形を組み合わせて作り上げていきます。

内部のトラス構造も、屋根の大きな三角形の中に、小さな三角形ができるように材料を配置しています。

 

トラスの三角形を形作っている材料を木材と鉄棒で使い分けているのはその役割によって分けています。

大雑把には、木材は下がろうとする部分を下から押し上げる役割があり、鉄棒は下がろうとする部分を上

から引っ張り上げる役割があります。

 

軒先は上から引っ張り上げることができないので下から押し上げる木材で支えます。

内部に屋根を支える柱が無いので、屋根面にある斜めの木材へ引っ張り上げる鉄棒を使用します。

屋根の両はしで支える柱は木材となりますが、さすがに住宅のような柱というわけにはいきません。

通常の住宅の柱の3倍から4倍の性能や強度の材料を使用しています。

 

(構造設計Y・A)